Narrative Hats | Teo's Hat Atelier

テオ の ぼうし2_240.png

ABOUT_NEWS_HATS_CLASS_CONTACT
___________\Lightsome
_____________\Narrative
_______________\Progressive
ハッピーキャップ340.png今日のぼうし340.pngぼうしの教室340.png


__FACEBOOKのアイコン素材 3.png

__twitter_gray.png

風の帽子_2013.jpg

8_image1.jpg9_image2.jpg11_image4.jpg
風の帽子, Hat in the Air: black / beige

Narrative 被り手との対話から生れる、あなたの物語をつむぐ帽子

あなたに似合う帽子を選ぶ、あなただけの帽子をつくることを、帽子屋として大切にしています。
あなたとの対話から生れる帽子は、あなたの物語をつむぐ帽子になってほしいと願っています。
また、私も一人の被り手として、自分の物語をつむぐような帽子をつくり、被りたいといつもおもっています。
その一環として、兜の研究をしていますが、江戸時代の「鉄錆地置手拭形兜」(てつさびじおきてぬぐいなりかぶと)に、頭を覆う手拭いのかたちから想起した意匠がみられます。風の帽子は、頭を覆う生地が風ではためく一瞬のかたちをとらえるような、被り手の動きとともに風のかたちをあらわすような帽子をつくりたいと考えたものです。


1_title.jpg2_kawarikabuto.jpg5_moving_image.jpg6_black_hat.jpg
7_beige_hat.jpg13_art_in_hat.jpg3_okitenuguinarikabuto1.jpg4_okitenuguinarikabuto2.jpg

NO HAT, NO LIFE:動体としての帽子

「兜からのヒントによる帽子」と題して行ってきた研究のうち、変わり兜と呼ばれる造形の中に、被り物が内含する特殊な機能があります。武士が武具に求める堅牢な造りと奇抜かつ頑強な意匠が伴って、技術と精神が相互に裏打ちするかのような、象徴、誇示、歌舞くといった当時の精神的作用を兼ね備えています。そこに被り物としての様々な機能的な意味を越えて、アートと呼ぶべきものがあると考えるようになりました。特に黒漆塗置手拭形兜(くろうるしぬりおきてぬぐいなりかぶと)を鑑賞した折りに、強くそれを確信しました。この作品は、帽子に於けるアートと感じるもの、その感覚を表現したものです。

置手拭形兜鉢は、通常、正面一枚及び側後面二枚の鉄板を環状に継合せ、その上に一枚か二枚の鉄板を置く構造となっています。それがあたかも手拭を頭の上に乗せたような形に似ていることから「置手拭形」と呼ばれています。その上板の後方が跳ね上がっているような兜があり、私はそれを風にあおられて手拭の端がはためく一瞬を造形したものではないかととらえました。絵画や彫刻、写真や映像の表現などは、対象の一瞬を固定させるが、それは動体の連続するイメージを凝縮して抽出しています。人間の意志や行動に伴い出現するファッションにおいても、人体を一つの動体イメージとして表現していくものです。帽子の造形では、頭部とその周辺に様々な象徴が表わされます。更に、帽子を被ることで得られる多様な精神作用の表れを、自由な着想で、新しい機能を持たせていくことです。
そのような動きを反映するもの、被り物に何か動的な要素を持たせて、連続して揺らぐさまを表わせないかと考えました。人体の動きや流れる風などを受けて、揺らめくかたちです。そこで、頭に被る部分の構造体はしっかりとつくり、その上から複数のしなやかな素材で頭部前面より背面にかけて構成しました。帽子全体が揺らめくような、動体イメージをとらえるように動く構造体、心的な流れの変化を表現したものです。

鏡の向こうに映る自分をモデルとして、主に一般的な女性の為に時代のファッションを鑑みた上で、被り手をより美しく表現できる帽子を制作してきましたが、それは被り手に好まれるという制約を認識することでもあります。それを踏まえた上でとらわれることなく、自由に創造していく面白さがありました。それは新しい興味、価値観を生むことになり、私の帽子づくりは、ファッションの中での帽子が、より自由な芸術的要素を持ち得るかどうか、自己評価できる帽子制作への一歩となることを願うものです。


Lightsome:軽やかで、被り手の表情をぱっと明るくする帽子

Progressive:いままでこれからの、新しい型の進歩的な帽子